888.です!
35年ぶりだそうです。
スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン…、なんでも月が地球に近く大きく見えるスーパームーン、同じ月で二回目の満月のブルームーン、皆既月蝕で赤く怪しく光るブラッド・ムーン…これが重なったとか。
このブログも888回目でゾロ目の末広がりで、まあ縁起もいいかなぁーっと…。
赤い月は撮ろうと思ってましたので、どこで撮るかいろいろ検討した結果、スカイツリーと絡めることにしました。
まあ、他に絡むものがなさそうだったからですね。
今回の月の軌道では皆既食が始まる時間には仰角が55°を超えてきます。
その高さの月と地上の何か、できればかっこいい建造物とかと合わせて撮ろうとした時、両方にピントが合うのはどの程度の距離が必要になるかを考えるわけです。
月は38万キロ離れていますので、まあこれは無限遠ですよね。
地上の建物で仰角55°で見上げたときに、無限遠までが被写界深度の中に収まる距離のある建物です。
もちろん絞りを絞り込めば被写界深度は深くなりますし、広角レンズにしても同じですよね。
極端ですが、50mmの標準レンズで絞り22まで絞り込めば、目の前10mくらいから無限遠までピントが合うようになります。
でもね~、月を標準レンズで狙っても点でしかないですよね。
せめて150mmくらい、できれば300mm以上の望遠でも撮りたい。
さらに、22まで絞り込むと月蝕の月の明るさですので、シャッター速度が何十秒にもなってしまいます。
地上の建物をしっかり写すためにもISO感度も1600以上には上げたくないですし、もっと低いほうがいいですよね。
それに、月は意外と速く動きますので、300mmくらいの望遠で狙ったときは1/10くらいのシャッター速度でないとビシっとクレーターまで見えるようにはいきません。
色々条件が山ほどあるわけです。
そこで、まあ妥協点を探って行くわけですね。
22まで絞り込むことはないので、絞りは8くらいで300mmの焦点距離のときに、無限遠までピントが合うためには、被写界深度を考えてどのくらいの距離のものにピントを合わせればよいか…ということです。
エイヤ…!で600mなのです。
エイヤッ…!と書いたのはまだ色々難しい条件があるからですが、今回はそのあたりは割愛です。
600mくらい離れた位置にある建物にピントを合わせたら、無限遠の月と両方にピントが合って写すことができる!
そして仰角55°以上で見上げたときに600mの距離が取れる建物…!
日本では高さ634mのスカイツリーしかないですよね。
まあ、月蝕の時、月は高い位置にありますので、それと絡む建物はタワー系しかないですよね。
東京タワーも考えましたが、300mの高さでは結構厳しいのと、周りに高い建物が多いのと周辺の道路が少なく南東方向を見通せる場所がなさそう…。
この点、スカイツリーは周りに高層建築はなく、特に北西側は下町独特の碁盤の目に道路があって、撮る場所には苦労なさそう…。
月が移動しても、スカイツリーとうまく絡む場所にどんどん移動していける感じです。
そしてみんな同じような考えで、集まってきた人は数百人はいたでしょうか?
いや、周辺も含めればスカイツリーと月を絡めて撮った方は1000人ではきかないでしょうね。
ベストスポットでは狭い道路に三脚が溢れ、まあ短い時間だから許されますが、地元の人にしてみたら何事かと…。
面白いのは、みんな三脚抱えて無言で空を見上げながら、ゾロゾロと民族大移動するところですね。
こんなに人がいるのにシャッター音がするだけで、やたら静か…。
最初に陣取った交差点の歩道の端は少し後ろすぎたようで、ちょうどツリーの真上に来るころ前に移動です。
そしてその後はどんどん西に移動していく月を追いかけて東方向に移動、高度も高くなっていくので、ツリーに近づく方向に移動します。
碁盤の目の道路なので、どんどん追いかけていくことができますね。
今回の月蝕は皆既蝕の時間が長く、1時間ちょっとありましたので、その間月とスカイツリーが重なって見える場所をウロウロ追いかけるわけです。
星撮りの先生は月蝕の始まる2時間ほど前から、ここだ!と決めた場所に陣取り、タイムラプスで撮り続けていましたね。
タイムラプス始めると動けなくなってしまうのが難点ですが、素敵な月蝕を刻々と撮り続けたコマ撮りの写真がSNSにアップされています。
今回の月蝕撮影で、結構いろんなことに気付かされました。
まず、月の動きはかなり速いということ。
50mmとかの標準焦点距離で撮るならSS1/2程度でなんとか止まってくれますが、1秒ではかなりブレ感が出てきてピントが合ってないように見え始めます。
135mmくらいで1/5位が限界、300mm越えると1/10と言うより1/20くらいで撮りたい感じです。
難しいところで、1/20で絞り8で撮ろうとすると、ISO1600でも暗い感じ、できれば3200にしたいところですが、そうするとノイズが目立ってきて月の鮮明度が落ちてくる。
結局ノイズ処理してしまうと少しぼやけた感じになってしまいます。
まあ妥協点はISO1600、絞り7.1、SS1/5、焦点距離は135mmと言うあたりが、一番きれいに写ってましたね。
今回月蝕中の月はやはりかなり暗く、それに反してスカイツリーの照明がやたら明るいのも露出決定の難しいところです。
まあ、露出はスカイツリーの合わせ、月は現像で少し明るくすることにしましたが、現像で明るくするとISO感度上げた以上にノイズが増えるのですよね。
ISO上げて明るく撮るか、低めで増感現像に期待するか、月がメインなのかスカイツリーがメインなのか…、撮り方に悩むところです。
もっと寒いかと覚悟していったのですが、風がなくそれほど寒くはなかったので、結構楽しめました。
まあ、三脚担いで結構ドタバタウロウロしてるし、赤く染まる月とくっきりLED照明のスカイツリーにテンション上がりっぱなしで、かなり興奮状態にあっという間の一時間だった気がします。
皆既蝕が終わり徐々に本来の明るさを取り戻し始め、終電がなくなるー…と、結構あっという間にみんないなくなりました。
OyZはバイクで行ってましたので、ゆっくり片付けて撤収ですが、帰り道では結構雲が出てきて月を隠し始めましたので、ほんとに月蝕の時間だけ雲がなかった感じです。
GPVでは絶望的な曇り予想でしたからね…!
夜8時の時点で空模様チェックして、晴れてる!、行こう!と言う感じでしたね。
まあ、今回いろいろ問題点も露見し、月撮りのノウハウは一通りGetできたかなぁ?
次回があるかって…?
まあSBBMは、わかりませ~ん!
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